不妊症 原因

子供ができないのは排卵が原因?排卵と不妊治療の関係とは

不妊症の原因の多くは、排卵障害と言われています。では排卵障害とは、どのようなものでしょうか。

それではまず、排卵の仕組みから説明しましょう。

脳の視床下部でつくられたホルモンが、まず脳下垂体を刺激します。すると卵胞刺激ホルモン(FSH)と黄体化ホルモン(LH)が分泌され、卵胞で卵子が育ち始めます。成熟した卵子は卵胞を破り、卵巣の外に出ます。これが排卵です。一方、脳下垂体で分泌された卵胞刺激ホルモンは、卵巣に働きエストロゲンを分泌させ、子宮内膜を厚くします。これで受精卵着床の準備ができます。

この過程で何らかの異常がおこると、排卵障害といわれる以下の症状がでます。
・多嚢胞性卵巣症候群(POSS):卵胞刺激ホルモンと黄体化ホルモンのバランスがくずれ、黄体化ホルモンの分泌が多くなり、卵胞が未成熟のため排卵がおこらない症状です。生理不順や無月経となります。

・黄体化非破裂卵胞(LUF):排卵がおこらないため、卵胞が黄体となる症状です。

・早発卵巣不全(早発閉経 POF):一般的な女性の閉経年齢は50歳前後ですが、40歳未満で閉経してしまう症状。

また、ストレスによりホルモンバランスがくずれたり、肥満、無理なダイエット、また甲状腺の異常により、無月経や生理不順になるとも言われています。

これらの排卵障害が起こった場合、薬の服用により排卵を促す治療がおこなわれます。
・クロミフェン、クロミッド、セキソビット:
視床下部に作用し、排卵を促します。生理日から3〜5日服用します。セキソビットは、クロミッドよりも効果が出にくいのですが、排卵した場合、妊娠率は高くなります。

・hMG:卵巣に直接作用するため、通常は1周期につき卵子1つが排卵されるところ、複数の卵子を排卵させます。体外受精の時に使用します。

・リコンビナントFSH:hMGよりも安全と言われています。ペン型の注射器で、自分で注射することができます。

これらの薬の副作用としては、多胎妊娠や卵巣過剰刺激症候群(OHSS)などです。ですので、特にhMGは、医者が状態をチェックしながら使用しています。

針やお灸でツボを刺激!妊娠しやすい体質をつくろう

不妊治療というと、西洋医学での治療を思い浮かべてしまいますね。もちろん信頼の置ける医療機関で専門家のアドバイスに従うのが、妊娠への一番の早道だと思います。しかし不妊の原因が不明だったり、ストレスや冷え、ホルモンバランスのくずれなど、生活習慣や、その人の持っている生まれつきの体質が、原因になっていることもあります。分かってはいるけれど、体質改善なんて難しそうだし、また治療ばかりが長引いてなかなか結果がでなかったりすると、落ち込んでしまいますね。そんな時は、東洋医学の“ツボ”に目を向けてみてはいかがでしょう。

病気になった箇所を治療する西洋医学に対して、東洋医学では、体全体の状態を見ながら、何が現在の状態を招いたのかを探り、体質を改善していく治療法です。生殖機能の力をつける、血行をよくする、ストレス解消などの原因を改善していくと、妊娠しやすい体質になる可能性もあります。
それでは、不妊治療に効果のあるツボをいくつかご紹介しましょう。

・三陰交(さんいんこう):内くるぶしから指3本上。子宮機能に影響のある腎経(じんけい)・肝経(かんけい)・脾経(ひけい)の経脈の交差点にあります。婦人科系に効果があり、生理周期や子宮内膜を整えます。また、生理の時に押すと、余分な血を排出させます。

・陽関(ようかん):ひざの外側の膝関節の隙間。下半身の冷えに効果があります。

・大都(だいと):足の親指の内側の付け根。冷えや生理不順を改善します。

・白会(ひゃくえ):両耳の先の延長線上にある、頭の上。血行が良くなったり、精神を安定させます。

・関元(かんげん):お臍の指3本下。子宮内膜や下半身の血行を整えます。

・腎愈(じんゆ):お臍の高さにある、背骨の両脇。生理不順、男性の精力増進に効果があります。

・次りょう(じりょう):仙骨の上から2番目のくぼみ。卵巣の活発化、生理痛を緩和します。

・血海(けっかい):膝の内側で指4本上。ホルモンのバランスを良くし、生理不順、生理痛の緩和に効果があります。

お風呂上がりや、テレビを見ながら、ツボを押してみてはいかがでしょうか。

高齢では妊娠しづらい?高齢の不妊治療について知っておこう

女性が社会進出するにつれて、結婚そして出産の年齢も上がってきました。結婚してすぐ妊娠となれば問題ないのですが、なかなか思うようには行きません。35歳以上の4人に1人が不妊治療を受けているといわれています。本当に高齢になると、妊娠しづらくなるのでしょうか。

残念ながら、卵子は年齢と共に老化して行きます。もちろん老化した卵子に、生殖能力が全くないというわけではありません。しかし35歳を過ぎると徐々に老化が始まり、妊娠しにくい状態になります。40歳を過ぎるとさらに妊娠しにくい状態は進み、45歳を過ぎると、たとえ不妊治療を行っても、妊娠できる可能性は数パーセントとなります。昔の人は“厄年”といいますが、そのくらいの年齢(36歳や42歳前後)で、体に変化が起きてきます。卵子ほどではありませんが、男性の精子も少しずつ老化し始めます。

また年齢が上がるにつれ、子宮筋腫などがある女性も増えてきます。このような婦人科系の疾患も不妊の原因となります。ですから35歳を過ぎて出産を考えている場合は、できるだけ早く不妊治療に踏み切った方が良いでしょう。

通常の不妊治療であれば、まずタイミング療法などから始めますが、高齢の場合は、いきなり人工授精から始めるケースがほとんどです。体外受精や顕微授精が主な治療法となるでしょう。しかし妊娠率は、40歳以上で数パーセント、さらに45歳以上となると2パーセント以下となります。勿論50歳近くなって妊娠したという例もありますので、全く希望がないとは言えませんが、ごく稀なケースであると言わざるを得ないでしょう。

また高齢になると妊娠しづらいだけでなく、流産、不育症、そして染色体異常(ダウン症)のリスクも高くなります。染色体異常は羊水検査で事前に発見できますが、場合によっては、とてもつらい決断をせまられます。

高齢の不妊治療は、体力的に辛いだけでなく経済的にも負担を強いられます。体外受精や顕微授精は、病院にもよりますが、1回の治療で20万円以上の治療費がかかります(健康保険適用外)。また前述しましたが成功率も低いので、精神的にも辛いのではないでしょうか。

もしあなたが40歳を過ぎているなら、本当に子供が欲しいかどうか、もう一度考えてみてください。子供が産めないからと言って、あなたやあなたの旦那様が、人間的に、ましてや男として、女として劣っているわけではありません。あなたは、決して不要な人間ではありません。今は気付いていないかもしれませんが、子供を産み育てる以外に、あなたに出来ることは沢山あります。私の友人は、体を冷やすからと言って、好きなサラダや珈琲を我慢しています。他にも不妊治療のためにと、いろいろな事を我慢しています。でもそんな人生、楽しいですか。治療に使う予定のお金で、ご夫婦で旅行に行ってみてはいかがですか。少し視点を変えてみて、これからの夫婦二人の生活を考えてみてはいかがでしょうか。ちなみに、私も子供はいません。が、ダンナと二人でコンサートを楽しんでいます。

経済的負担を軽く不妊治療を。健康保険や医療費控除を利用しよう

病院には行きたいけれど、治療費の負担を考えると、つい足が遠のいてしまう…、たまにありますね(でも健康はお金に代られません。病院へは行きましょう)。不妊治療の場合も、高額になるというウワサもあるし、経済的負担を考えると、二の足を踏んでしまうこともあります。しかしご安心下さい。全てではありませんが、不妊治療には健康保険が適用になります。

まず初期の不妊検査、また一般不妊治療といわれるタイミング療法や排卵誘発剤を使った治療、そして簡単なカウンセリングなどは健康保険が適用になります。ですから一回の治療費も数千円程度ですむでしょう。もし治療費が心配で治療を迷っているなら、思い切って検査だけ受けてみても、それほど大きな負担にはならないと思います。

しかし高度生殖医療といわれる、人工授精、体外受精、そして顕微授精は、残念ながら健康保険の適用とはなりません。また高額療養費制度にも該当しません。「不妊は病気ではない、また原因不明の場合も多い」という理由から適用外とされているのです。

これらの高度生殖医療は、医療機関によって金額は異なりますが、人工授精では1〜3万円、体外受精では20〜60万円、顕微授精では30〜50万円かかってしまいます。この負担を少しでも軽くする方法はないのでしょうか。

①公的助成制度を利用する
各都道府県では、不妊治療に助成金を支払っています。自治体によって異なりますが、夫婦の所得合計が730万円未満であれば、1回につき15万円を年2回(初年度は3回)、5年間で合計10回まで支給されます。申請手続きは少々面倒なので、申請の準備はお早めに。

②確定申告時に医療費控除を利用する
医療費から助成金などを引いた金額が、10万円もしくは所得の5%以上の場合は、医療費控除の対象となります。上限は200万円です。そして申請のためには、以下のものが必要です。
・病院の領収書
・交通費:タクシーを利用した場合は領収書、電車やバスの場合は金額のメモ。また駐車場代も控除対象となります。
・市販の薬のレシート:薬を買った物であれば、何でも取っておきましょう。絆創膏や湿布薬などのレシートもOKです。

生計を同じとする家族の分なら、まとめて医療費控除の対象となります。不妊治療以外のものでも、申請する前年の1月〜12月までの、病院の領収書や薬局のレシートは、全て保管しておきましょう。ちなみに私は、ドラッグストアで薬と一緒にお菓子や洗剤を買った場合、レシートの薬の金額に赤線を引いて、税務署に提出しています。

また生命保険などでも不妊治療を対象としている商品がありますので、一度調べてみても良いでしょう。

アロマでリラックス。子供が授かりやすい体質になろう

“香り”には、人を幸せな気分にしたり、逆にイヤな気分にしたりなど、不思議な力がありますね。この力を利用したのがアロマセラピーです。アロマセラピーで使用するエッセンシャルオイルには、植物のパワーがあふれており、香りを嗅ぐことによって、大脳に働きかけ自律神経を安定させたり、肺から血管へ入り体に働きかけたりします。

不妊症の原因はさまざまですが、長年の治療でストレスや焦りが出てきたり、また不妊の原因がわからずに、イライラとしてしまった時など、アロマセラピーは効果があると言われています。また、リラックスすることにより自律神経が安定し、ホルモンバランスが整えられるため、生理の周期が順調になることもあります。

それでは代表的なエッセンシャルオイルと、効能をご紹介しましょう。

・ラベンダー:ストレスを和らげます。また鎮痛作用もあり、頭痛などの際、気分が楽になります。

・クラリセージ:ホルモンバランスを整え、強壮作用が期待でき、生殖能力が向上します。

・ゼラニウム:ホルモンバランスを整えます。また精神的に不安定な時にリラックスできます。

・ローズ:ホルモンバランスを整え、子宮強壮に期待できます。またイライラした時にリラックスできます。

・イランイラン:子宮強壮や冷え性に期待できます。また催淫効果もあると言われています。しかし、好き嫌いが分かれる香りと言えるでしょう。

・ジャスミン:ホルモンの分泌を促します。イランイランと同様に、好き嫌いの分かれる香りです。

・ネロリ:ホルモンの変化による情緒不安定を和らげます。

・フランキンセンス:ストレスを和らげ、子宮強壮効果が期待できます。

・カモミール:生理の周期を整える効果が期待できます。

・ベルガモット:リラックス効果があり、楽しい気分になります。子宮強壮効果も期待できます。

・ジュニパーベリー:生理周期を整えます。

いろいろな香りが楽しめるだけでなく、頼もしい効能もあるエッセンシャルオイルですが、使用するには注意が必要です。それは、肌に直接つけない、直接飲まない、冷暗所に保管し、1年を目安に使い切る、です。またエッセンシャルオイルと、ポプリオイルは違います。ポプリオイルを代用することも避けて下さい。

それでは次に、活用法をご紹介しましょう。代表的なのは、アロマポットを利用して部屋中に香りを満たす方法ですが、アロマポットがない場合は、ティッシュに2-3滴たらし、ベッドサイドに置いても十分です。また、お風呂に数滴たらし(オイルは水に溶けないので、少量の塩やミルクに混ぜるとよいでしょう)入浴剤代わりに、また洗面器を利用し、足湯も楽しめます。慣れてきたら、好みのオイルをブレンドしてみてはいかがでしょうか。ただし混ぜるのは3種類までにした方が無難です。ゼラニウムは、香りをまとめて引き立てるのに最適です。一度お試しを。

最後に、植物のパワーには、目を見張る素晴らしいものがあります。が、けっして誤解して頂きたくないのは、“エッセンシャルオイルは薬ではない”ということです。あくまでも憂鬱な気分を明るくし、体質を良い方向に改善させる手助けをするものだと思って下さい。

またエッセンシャルオイルを選ぶ際には、お好きな香りを選んで下さい。いくらお目当ての効能があるといっても、嫌いな香りでは逆にストレスがたまります。また人間の体調は日々変化しています。昨日まで好きだった香りが、突然嫌いになってしまこともありますが、そのような時はその香りが今の体調に合っていないということなので、しばらくそのオイルは使わないで下さい。

不妊治療はお金がかかる…。では治験を利用して負担を軽く

不妊治療を始めてから思うような結果が出ず、治療が長引いてしまう場合、精神的な負担は勿論のこと、経済的な負担も大きくなってきます。中には経済的な理由で、治療をあきらめてしまう人もいます。待望の赤ちゃんの顔を見るために、少しでも負担を軽くしたいですね。そんな時には“治験”を考えてみてはいかがでしょうか。

「治験なんて、モルモットにされているみたいでイヤだわ」ほとんどの人がそう思って、敬遠しているようです。それに認可される前の薬ですから、副作用を心配している人もいます。欧米では当たり前のように行われていますが、日本ではまだ認知度が低く、ボランティアに登録する人も少ないのが現状です。

では治験とはどのようなものか説明しましょう。新薬が開発される場合、まず最初に動物実験で、その薬の有効性や安全性が検査されます。次に人間に対しての検査が行われ、治療の効果を立証されたもののみ、新薬として厚生労働省の認可が下ります。つまり治験とは、安全性や有効性を十分に確認し、問題がないと思われた新薬を、厚生労働省から承認を得るために、人間の体を使って確認をするというものです。

治験を始める前には、治験審査委員会の担当者が、その新薬の安全性を十分に審査しているので、「ワケの分からない薬を試される」などということは、決してありません。ちなみに、この治験審査委員会ですが、治験で使われる薬や製薬会社とは無関係な専門家などで構成された委員会で、治験者の人権や安全を審査する機関です。また万が一、副作用が現れた場合、その治験を続行するか中止するかの決定権も持っています。

次に“治験の流れ”ですが、担当医から紹介される場合と、インターネットなどで情報を得る場合があります。いずれにしても、最初にインフォームド・コンセントを必ず受けなければなりません (逆にこれがない場合は詐欺の可能性があります)。インフォームド・コンセントでは、
・治験の目的や方法
・治験に参加しない場合の治療法
・薬の特徴
・薬の副作用
・副作用があらわれた際の保証
・治験の参加は、いつでもやめることができる
などの説明を受け、実施計画書なども渡されます。この時に、疑問点や不安な点を遠慮しないで質問して下さい。勿論、説明を聞いてから、治験の参加を止めることもできます。また、カルテや検査結果の閲覧は、製薬会社、厚生労働省の担当者、治験審査委員会の担当者に限られています。

では、治験のメリット、デメリットとはどんなことでしょうか。
メリット
・最新の治療が受けられる
・事前の健康診断や、治療中の健康管理を無料で受けられる
・謝礼がもらえる

デメリット
・入院や通院(遠方のこともある)が必要になる場合もある
・飲み薬やサプリメントの制限がある
・内容によっては、毎日記録を付けなければならない
・副作用の危険がある

最後に、治験と一口に言っても、中には悪質なものもあります。メリットしか説明しない、ホームページなどに会社案内や電話番号の記載がないなど、少しでも怪しいと思ったら、絶対に関わらないでください。

なかなか子供ができない。人工授精を始めるタイミングはいつ頃?

不妊治療を始める決心をし、不妊検査を受け、そしてタイミング療法を始めたけれど、なかなか成果が出ない…、それではどのようなタイミングで、人工授精を始めればよいのでしょうか。

まず次のケースで人工授精が選択されます。
①精子の運動性が低い、または数が少なく、自然妊娠が難しい
②性交に障害ある
③子宮頚管粘液の量が少ない
④抗精子抗体がある
⑤不妊の原因が不明
ですからタイミング法をだいたい6から10回程度試みても妊娠できなかった場合に、そろそろ考え初めてもよいのではないでしょうか (ただ個人の体質や事情など、さまざまですので、自己判断せず、まず主治医とよく相談してください)。特に35歳以上の方は、なるべく早めに始めた方がよいでしょう。

ところで人工授精はどうしても抵抗がある、という人もいます。特に男性にこのような人が多く、奥様は早く治療を始めたいと思っているのに、旦那様が二の足を踏んでいるというケースもあります。おそらく“人工”という言葉に抵抗があるのではないでしょうか。結論から申し上げますと、人工授精とは、とても自然妊娠に近い方法なのです。

まず男性の精子を遠心分離器に掛けて、活性の高い精子のみを、カテーテルという細い管を使って、女性の子宮、もしくは卵巣に直接挿入する方法です。注入は1-2分で済むため、痛みや母胎への負担はほとんどありません。施術のタイミングは、あらかじめ基礎体温や超音波検査(エコー)で排卵日を調べておき、排卵前日か当日に治療が行われます。

成功率は4から5周期で5から20パーセント。健康保険適用外ですが、費用は1万から1万5000円くらいですので、経済的負担もあまり大きくありません。

リスクとしては、排卵誘発剤を使用した場合、妊娠の可能性は上がりますが、反対に卵巣過剰刺激症候群を引き起こす場合もあります。

さて、人工授精に対する抵抗はなくなったでしょうか。母体への負担やリスクも少なく、経済的にも無理のない治療法といえます。もし迷っているなら、思い切ってトライしてみてはいかがでしょうか。

少しでも経済的負担を軽くしたい!不妊治療には助成金が出ます

不妊治療は体への負担だけでなく、経済的な負担も大きいと言われています。通常の不妊検査や、初期のタイミング療法などは医療保険の対象になりますが、特に高額な体外受精、顕微授精は自由診療になります。そのため経済的な負担がかさみ、やむなく治療をあきらめてしまう人もいます。

では、高額な治療を受けるにはどうしたらよいのでしょう。

各都道府県では“特定不妊治療助成制度”を設けています。自治体によって異なりますのが、夫婦の所得合計が730万円未満であれば、1回15万円を年2回(初年度は3回)、5年間で合計10回まで支給されます。ただし平成25年4月以降、「凍結した胚を解凍して胚移植を行った場合」と「採卵したが卵子が得られなかった、または状態が良くなく中止した場合」に関しては、75,000円が支給されます。利用してみてはいかがでしょうか。

自治体によりますが、だいたい次の用件を満たしていれば申請ができます。
①申請日当日、夫婦で所得の多い方が申請する都道府県に住所があること
②法律で認められる婚姻関係にある(事実婚は残念ながら認められていません)
③特定不妊治療(体外受精・顕微授精)のみでしか妊娠の可能性が少ない
④申請を受ける都道府県で指定された医療機関で治療を受けていた
⑤申請日前年の夫婦の所得合計が730万円未満である

また申請に必要な書類は、だいたい次のとおりです。自治体によって多少違うので、詳しくはホームページなどでご確認下さい。また申請には期限がありますので、こちらも合わせてご確認下さい。
①特定不妊治療費助成申請書:自治体のホームページなどからダウンロードできます
②特定不妊治療受診等証明書:病院によっては有料だったり、発行に時間がかかったりします。余裕を持って申請してください
③住民票(3ヶ月以内の物)
④戸籍謄本(3ヶ月以内の物)
⑤受診した医療機関発行の領収書のコピー
⑥申請日前年の、夫婦それぞれの所得を証明する書類

治療だけでも手一杯なのに、さらにややこしい申請など、気が滅入ってしまいますね。でももし助成金がもらえれば、経済的負担もだいぶ楽になるでしょう。一度申請してしまえば「な〜んだ、申請手続きなんて、こんなもんか」と思えるものです。前述しましたが、申請には期限があるので、特定不妊治療を受けると決めた時点で、助成金の申請手続きを始めることをお勧めします。

不妊で苦しむ人々を支える専門の看護師。仕事の内容と取得法について

少し前の話になりますが、不妊治療の末やっと子供を授かった友人が、母子手帳を発行してもらおうと看護師に質問したところ「あなたの胎児は、まだ心音が聞こえませんね。生きているか死んでいるか分からないので、母子手帳は発行できません」と言われました。翌日、友人がこの世の終わりのような顔をして出勤したことは、言うまでもありません。もしこの看護師が「規則で、母子手帳を発行できるのは、心音が聞こえてからなのですよ。もう少し待って下さいね」と言っていたら、友人も辛い思いをしなくてすんだと思います。

さて前置きが長くなりましたが、不妊治療という終わりの見えない辛い期間中、患者に寄り添って支えてくれるのは看護師ではないでしょうか。その中でも、不妊治療を専門とする“不妊症看護認定看護師”をご存じでしょうか。

不妊症看護認定看護師とは、日本看護協会が2003年8月に認定した資格で、不妊症に悩む患者の心身のケア、不妊症治療の情報提供、そして治療に迷いがある患者に対するアドバイス、また同僚看護師の不妊看護に関する指導などを専門としている、患者にとっては頼りになる存在です。もう少し簡単に言えば、不妊治療で落ち込んでしまったり、どうして良いか分からなくなってしまった時に、親身になって相談にのってくれる専門家というワケです。

まずこの資格を取るためには、3年間の不妊症看護実務経験を含んだ5年間の看護実務経験に加え、日本看護協会が認定している教育機関へ、6ヶ月間通わなければなりません。資格試験の合格率は高いのですが、実はこの“受験資格の取得”が、看護師にとっては至難の業なのです。“3年間の不妊症看護実務経験”と一口に言っても、例えば人事異動で希望の“科”に配属されなかったり、希望する“科”が閉鎖になる場合もあります。

また、教育機関へ通うにしても、勤務を続けながら通学するのは実際、不可能に近いです。研修制度を設けている病院なら研修ということで、その間の給料や、後のポストなどが保証されていますが、そうでない病院に勤務している場合は、資格を取るために退職しなければなりません。ちなみにこの教育機関では、試験のための「共通科目」「専門基礎科目」「専門科目」「学内演習」「臨地実習」を学びます。そして試験合格の暁には、不妊症看護認定看護師の資格は勿論のこと、日本生殖医学会の“生殖医療コーディネイター”にも認定されます。

ここまで過酷な条件をクリアしてきた不妊症看護認定看護師。まだ数は少ないそうですが、もし担当してもらえる時は、本当に頼れる存在になりますね。

どうしても子供が欲しい。まず排卵を促す薬と副作用について知ろう

どうしても子供が欲しくて、病院へ。そして検査、不妊治療が始まるわけですが、ほとんどの場合、いきなり人工授精などということはありません。まずはタイミング療法と言う、なるべく自然に近い状態で妊娠を促す方法がとられます。不妊の原因のほとんどが排卵障害と言われています。排卵のためにはまず、卵巣内で卵胞が大きく育ってから排卵されなければなりません。さらに受精後、受精卵が確実に着床しなければなりません。この間、様々なホルモンがバランスよく働いており、このホルモンが正しく働くように補うのが排卵誘発剤です。では、排卵誘発剤には、どのようなものがあるのでしょうか。

クロミッド、フェミロン:不妊治療の初期に処方されることが多い内服薬です。性腺刺激ホルモン(卵胞刺激ホルモン)の分泌を増やして排卵を促します。月経5日目くらいから服用され、多くても3-4周期を限度として使われます。副作用として下腹の張りや頭痛、頚管粘液の分泌が減少したり、子宮内膜が薄くなることもあります。ですから長期に渡って使わない方が良いでしょう。

セキソビット:排卵誘発剤の中では効果が薄い分、副作用も少ないといえます。排卵しづらい人に使われる内服薬です。頭痛や目のかすみなどの副作用があります。

デュファストン:黄体ホルモンの分泌を促し、子宮内膜に受精卵が着床し易くする内服薬です。副作用として、嘔吐感、乳房の張りや痛みなどがあります。

さて、タイミング療法で妊娠できなかった場合には、人工授精や体外受精に、治療を進めることがあります。内服薬は脳に働きかけて、性腺刺激ホルモンの分泌を促しますが、人工授精や体外受精の場合は、卵巣そのものに働きかける薬剤を注射することになります。自然な排卵と違い、複数個の卵子を排卵させるわけです。

HMG、HCG:排卵を誘発するために、お尻や上腕部の筋肉に注射します。卵巣過剰刺激症候群になるおそれがあるため、経過を観察しながら投与する必要があります。

FSH:黄体化ホルモンをほとんど含まないものです。

スプレキュア:排卵をコントロールしたい時に使われる点鼻薬です。

いずれの場合も、人によっては副作用がでてしまい、ただでさえ辛い不妊治療なのに、さらに副作用に悩まされてしまうケースもあります。少しでも違和感があったら、迷わず医者と相談して下さい。また、特に内服薬の場合、必ず医者の処方を守り、決して自己判断で服用しないで下さい。

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